待機児童問題と対策方法。無認可保育園はサービスが魅力

待機児童は他人事じゃない。明日は我が身だと思って

待機児童問題とは?

入所希望の児童数が、認可保育園の受入数よりも多くなってしまい、「認可保育所に入れない児童」のことです。

認可保育園と無認可(認可外)保育園の違い

認可保育園

認可保育園は国が定めた基準をクリアし、都道府県知事(政令指定都市市長、中核市市長を含む)に認可された施設です。具体的な基準は、広さや保育士職員の数、給食設備などです。

認可保育園は、国から補助金が出ます。子育て支援や待機児童問題の取り組みに積極的な自治体は、補助金を上乗せしていたりします。

また認可保育園は、2種類あります。自治体が運営している「公立認可保育園」と社会福祉法人やNPO法人、株式会社が運営している「私立認可保育園」です。時代の流れにより「私立認可保育園」が推進されているため、今後「公立認可保育園」は少なくなっていくようです。

無認可(認可外)保育園

文字通り国の認可が下りていない保育施設です。無認可保育園を初めて聞く人は、ネーミングのせいで、設備は大丈夫なのかと不安になってしまう人も多いようです。

実際の無認可保育園は、施設の広さが少し狭かったり、保育士が少ないなど認可保育園に比べて、満たされていないところがあります。しかし、無認可保育園だからできる延長保育や夜間保育、24時間保育などのサービスがあります。

無認可保育園は、一部の自治体では補助金が出ますが、基本的には出ません。そのため費用は、認可保育園と比べると結構高めです。

待機児童の背景と原因

少子化で子どもが減っているのに、なぜ待機児童が多いのでしょうか。その理由は、女性の社会進出が増えたため、家庭での共働きが増えたことが要因の一つです。結婚している女性(25~44歳)の就業率は60%を超えています。
※厚生労働省より

また昔はおじいちゃんやおばあちゃん、両親と一緒に暮らすことが多く、大家族の形態をとっていました。しかし近年では核家族化が進み、両親などに子どもを預けることができなくなったことも大きな要因です。児童のいる世帯のうち79%が核家族世帯になっています。

待機児童数はどれくらい?

厚生労働省のデータでは、2014年に21,371人でしたが、2015年に23,167人に増加したと発表しています。待機児童が増えた理由は、新しい制度を作ったら、今まで以上に便利になり、保育利用の申請者が大幅に増加しためと説明されています。
※この部分については、下記でコメントしています。

待機児童はどこで起きている?

2015年に発表された厚生労働省のデータでは、下記のような待機児童数になっています。人が集まる場所、仕事がある都市部に待機児童が集中しています。

ただ沖縄県の待機児童の理由は違っていて、米軍の占領下にあったため認可保育園の整備が遅れたことが要因です。人口と待機児童の割合を比べた場合は、沖縄が全国1位の高さになります。

  1. 東京都 世田谷区:1,182人
  2. 千葉県 船橋市:625人
  3. 沖縄県 那覇市:539人
  4. 大分県 大分市:484人
  5. 宮城県 仙台市:419人

保育士の数が足りない

保育士の数が不足していて深刻な状況です。保育資格は持っているが、保育士として働いていない「潜在保育士」が60万人いると言われています。なぜ保育資格を取ったのに、保育士の仕事をしないのでしょうか。保育士に調べてみると以下のような書き込みが多数ありました。

  • 労働条件の悪い
  • 小さな子どもを預かる責任が重い
  • 自分自身の子育てがあるから、別の仕事を選択

保育士は国家資格にもかかわらず、全産業の平均賃金よりも10万円も低い状況です。記憶に新しいニュースでは、勤務6年目(28歳)の保育士の手取りが、フルタイムで働いて月収14万円の告白で話題になりました。

保育士の仕事は、民間各社がサービスを充実させているため、その負担が現場にのしかかっています。その上人手が足りないため、保育士の仕事は一層激務になってしまっています。

政府の対策は?

2017年までに待機児童問題の解消を目指しています。具体的には、40万人の保育の受け皿を確保する「待機児童解消加速化プラン」を打ち出しています。計画は大きく2段階に分かれています。

2013年~2015年:緊急集中取組期間
  1. 賃貸方式や国有地も活用した保育所整備(ハコ)
  2. 保育を支える保育士の確保(ヒト)
  3. 小規模保育事業など新制度の先取り
  4. 認可を目指す認可外保育施設への支援
  5. 事業所内保育施設への支援
2015年~2017年:子ども・子育て支援新制度
  1. 認定こども園、幼稚園、保育所を通じた共通の給付、小規模保育等への給付の創設
  2. 認定こども園制度の改善
  3. 地域の実情に応じた子ども・子育て支援の充実
  4. 基礎自治体(市町村)が実施主体
  5. 社会全体による費用負担
  6. 政府の推進体制
  7. 子ども・子育て会議の設置
待機児童対策の効果は?

保育所拡大は2014年は21.9万人となり、目標の20万人を上回る結果になりました。しかし、2015年の待機児童の数は23,167人に増加。理由は先に記述した通り、「新サービスを始めたら、予想以上に好評で待機児童が増えた」って説明は本末転倒ですよね(笑)。

普通に考えたら、まずはサービスは変えずにハコを拡充し、待機児童問題を解決する。次にサービスを見直しながら、いっそうハコを拡充するのがセオリーです。

「良かれと思って余計なことをしたら、目標が達成できなくなった」ってサラリーマンが会社で言ったら、間違いなく評価下がります。それが平気で言えるお役所は、スゴイですね。

待機児童数は無くなるのか?

国は2007年に少子化対策大臣(内閣府特命担当大臣)を設置し、少子化対策に本腰をいれました。それから目先の出生率を上げるために様々な取り組みをしましたが、待機児童の部分までセットで考えられませんでした。

本来であれば、少子化対策と待機児童問題はセットにして取り組まなければいけないことは誰もがわかることだと思いますが…。2016年2月には「保育園落ちた日本死ね!!!」という匿名ブログ記事が、ニュースに取り上げられ話題になりました。

2007年少子化対策のために設けられた大臣が、2017年になってまで解決できていない待機児童問題。私の予想では、あと5年から10年ぐらいかかるのではないかと思っています。理由は、厚生労働省の数値の見立てがあまいため。

問題を解決するために専門の大臣を発足したにもかかわらず、10年間もかけて解決できていないのはなぜでしょうか。政治家の皆さんは、私たちの税金を大切に使ってもらいたいものです。

あなたはこの待機児童問題についてどう思いますか?