エンゼルプランから始まった少子化対策。2017年はどうなってる?

2017年の少子化対策はどうなってる?

出産率低迷が続く日本

「出生率が悪くなることはわかっていたが、ここまで早いペースで下がる予測をしていなかった」とのコメントが、1980~2000年頃まで勤めていた政治家たちの本音ではないでしょうか。

2005年を境に出生率は若干改善されているようですが、この先日本の出生率は大丈夫なのでしょうか。

過去の2度の失敗

日本政府は、旧・新エンゼルプランを中心に少子化対策を進めてきました。しかし出生率、出生数ともに低迷が続き、成果が全く上がりませんでした。

旧エンゼルプランは、「子育て支援のための総合計画」でした。 急激な少子高齢化社会に進む中、安心して子供を生み育てる環境をつくるために1994年12月に発表されました。

具体的には育児と仕事の両立家庭での子育て支援、子育てのための住宅と生活環境の整備、子育ての費用の軽減などです。

1999年12月に発表された新エンゼルプランは、「私たちが考えているよりも、少子化の事態は深刻だった」ために打ち出された 旧エンゼルプランのテコ入れ政策でした。以前に比べて雇用環境整備、性別役割分業、職場優先企業風土の是正などの考えも組み入れた内容でした。

出産無料化

2005年秋ぐらいから徐々に少子化対策が紙面、テレビなどを通して目に付くようになってきました。理由は当時猪口少子化担当相が、「出産無料化」のわかりやすい言葉で経済支援をアピールしていたからです。

一般的に出産費用45万円と言われている中、当時は政府負担額は30万円でした。このタイミングで出産費用が見直され、残りの15万円も国が負担しようというものでした。

多くの人が知らない出産費用のカラクリ

出産育児一時金。少子化対策とは無縁

度重なる少子化対策の法整備

これまでの少子化対策の取組

1994年12月 エンゼルプラン

1990年の「1.57ショック」を契機に、政府は、仕事と子育ての両立支援など子供を生み育てやすい環境づくりに向けての対策の検討を始め今後10年間に取り組むべき基本的方向と重点施策を定めた「今後の子育て支援のための施策の基本的方向について」(エンゼルプラン)を策定しました。

1999年12月 新エンゼルプラン

「少子化対策推進基本方針」(少子化対策推進関係閣僚会議決定)と、この方針に基づく重点施策の具体的実施計画として「重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画について」(新エンゼルプラン)を策定しました。

2003年7月 次世代育成支援対策推進法

家庭や地域の子育て力の低下に対応して、次世代を担う子供を育成する家庭を社会全体で支援する観点から、地方公共団体及び企業における10年間の集中的・計画的な取組を促進するため、「次世代育成支援対策推進法」が制定されました。

同法律は、地方公共団体及び事業主が、次世代育成支援のための取組を促進するために、それぞれ行動計画を策定し、実施していくことをねらいとしたものです。

2003年12月 子ども・子育て応援プラン

少子化社会対策大綱に盛り込まれた施策の効果的な推進を図るため、「少子化社会対策大綱に基づく具体的実施計画について」(子ども・子育て応援プラン)を決定し、国が地方公共団体や企業等とともに計画的に取り組む必要がある事項について、2005年度から2009年度までの5年間に講ずる具体的な施策内容と目標を掲げました。

2006年6月 新しい少子化対策について

2005年合計特殊出生率は1.26と、過去最低を記録。こうした予想以上の少子化の進行に対処し、少子化対策の抜本的な拡充、強化、転換を図るため、2006年6月、「新しい少子化対策について」が決定されました。

「家族の日」・「家族の週間」の制定などによる家族・地域のきずなの再生や社会全体の意識改革を図るための国民運動の推進とともに、子供の成長に応じて子育て支援のニーズが変化することに着目して、妊娠・出産から学生期に至るまでの年齢進行ごとの子育て支援策を掲げました。

2006年10月

政府負担の出産育児一時金は、5万アップの35万円になりました。支給されうタイミングも見直され、後払いから前払いに変わりました。

2007年12月 子どもと家族を応援する日本戦略

少子化社会対策会議において「子どもと家族を応援する日本」重点戦略がまとめられました。

就労と出産・子育ての二者択一構造を解決するためには、「働き方の見直しによる仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現」とともに、その社会的基盤となる「包括的な次世代育成支援の枠組みの構築」に同時並行的に取り組んでいくことが必要不可欠であるとされました。

働き方の見直しによる仕事と生活の調和の実現については、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」が政労使の代表等から構成される仕事と生活の調和推進官民トップ会議において決定されました。

2009年1月 出産一時金38万円に引上げ

政府負担の出産育児一時金は、38万円になりました。しかし出産費用(産科医療補償責任保険契約の保険料分)が3万上乗せされるため、実際の私たちの負担額は変わりませんでした。

2009年10月 出産一時金42万円に引上げ

政府負担の出産育児一時金は、42万円になりました。 2009年10月から2011年3月末までの暫定措置として、4万円にアップして42万円引き上げられました。その後暫定措置だった出産一時金の42万円が、2011年4月以降も継続されることが決定されました。

2013年4月 待機児童の解消に向けた取組

都市部を中心に深刻な問題となっている待機児童の解消の取組を加速化させるため、2013年度から2017年度末までに約40万人分の保育の受け皿を確保することを目標とした「待機児童解消加速化プラン」を新たに策定しました。

今後、女性の就業が更に進むことを念頭に、2017年度までの整備量を上積みし、40万人から50万人とすることとし、待機児童の解消を目指すこととしています。

2013年6月 少子化危機突破のための緊急対策

2013年3月から内閣府特命担当大臣(少子化対策)の下で、「少子化危機突破タスクフォース」が発足し、「少子化危機突破のための提案」が取りまとめられました。

2016年4月 子ども・子育て支援法の改正

子ども・子育て支援の提供体制の充実を図るため、事業所内保育業務を目的とする施設等の設置者に対する助成及び援助を行う事業を創設するとともに、一般事業主から徴収する拠出金の率の上限を引き上げる等の「子ども・子育て支援法」の改正を行われました。

2016年6月 ニッポン一億総活躍プランの策定

「夢をつむぐ子育て支援」などの「新・三本の矢」の実現を目的とする「一億総活躍社会」の実現に向けたプランを推進することが決定。

「希望出生率1.8」の実現に向けて、若者の雇用安定・待遇改善、多様な保育サービスの充実、働き方改革の推進、希望する教育を受けることを阻む制約の克服等の対応策を掲げ、2016 年度から2025(平成37)年度の10年間のロードマップを計画。