次の冷蔵庫に入れた際、水温は5度以下になるので水は常温でも大丈夫です。ただお米をとぐときの出会い水と一緒で、容器に入れる水は最初から低い温度がベストです。またカルキが多い水は、椎茸の味が変わってしまうので、できればおいしい水を使いたいですね。
実際に乾燥椎茸を温水、常温、冷水で戻したときの3つのグアニル酸量のデータを比較してみると、結果は一目瞭然です。冷水は、温水で戻したときの320倍グアニル酸の量が多くなります。
理由は水温の温度が10~40℃の場合、干し椎茸から出たリボ核酸が、うま味成分であるグアニル酸に変わったと同時に、酵素がそのグアニル酸を破壊してしまいます。そのため温水や常温の場合は、グアニル酸の量が少なくなってしまうという訳です。
「干し椎茸のおいしい戻し方」と工程1、2までは一緒です。冷蔵庫に1時間ほど入れた後に、椎茸を取出して、石突きを取り除きます。残った傘の部分をスライスして、再度元の水の中に戻し30分~1時間ほど冷蔵庫の中にいれれば、即効性干し椎茸戻しの完成です。
ただどうしても味は、1日時間をかけて戻した椎茸よりも劣ってしまいます。なるべく時間をかけて、おいしい椎茸を食べてもらいたいですね。