2016年から流行り始めたエコファーを知っていますか?海外のラグジュアリーブランドから始まり、今では日本でも取り扱われるようになりました。
エコファーは、エコレザーやフェイクレザーと同じ意味の言葉です。
これまでは、フェイクレザーという言葉が使われていましたが、「フェイク」は偽物であったり、チープで安っぽい印象を与えてしまいがちでした。
それが「エコ(エコロジー):ecology」、つまり環境にやさしいという言葉で代用され、これまでのネガティブなイメージがなくなり、急速に広がり認知されるようになりました。
エコファーとは正反対であるリアルファーに対して、動物愛護団体は動物の毛皮を使ったコートの生産に反対し、これまで様々な活動を行ってきました。
動物の毛皮でコートなどの製品を作るために、毎年約6,000万匹の動物が世界中で殺されているのが現実です。そのうちの半分は、欧州連合(EU)で作られています。
また世界一住みやすい国とされているフィンランドは、世界最大のミンクとキツネの毛皮の生産し、輸出している国です。世界一住みやすい国は、世界で一番動物にやさしくない国だったなんて、ちょっとショックです。
繊維がアクリルやアクリル系でできているので、天然毛皮の様々なデメリットをカバーできます。
リアルファーやリアルレザーは、本物の動物の毛皮や皮側皮を素材としている天然素材で作られています。代表的なリアルファーは、ミンク、コヨーテ、タヌキ、キツネ(フォックス)、ウサギ(ラビット)、カラクール(アストラカン、ペルシャンラム、スワカラ)などです。
昔のエコファーは、見た目はそっくりでしたが、触り心地が全くリアルファーと違いました。しかし、近年は技術が発達し、見た目だけでなく触った感触まで本物に近づいてきました。
ファーの持つラグジュアリー感と着心地の追及は、今後さらに進化していくはずです。
ステラマッカートニー、アルマーニグループなどのラグジュアリーブランド、ザ・ノース・フェイス、ティンバーランドのファッショナブルな人気ブランド、ZARA、H&Mなどのファストファッションがファーフリーを宣言しています。
2017年にはグッチが、リアルファーの使用を全面廃止する「ファーフリー・ポリシー」を宣言し、2018年春夏コレクションから廃止されました。
Tommy Hilfiger(ミー・ヒルフィガー)
エコファーは、リアルファーに比べて気軽に着れる「抜け感」がいいところ。リアルファーだとやりすぎちゃう感じがあったりしますが、エコファーならではのリッチな雰囲気と抜け感のバランスを楽しめます。
またエコファーはカジュアルにもエレガントにも、ワンポイントにもアクセントにもなるのもいいですね。秋冬に切ることが多いエコファーですが、春や夏にもバッグやサンダルに取り入れもよさそうです。