山崎製パンはカビない噂。危険な臭素酸カリウム
業界トップ企業は消費者に信頼される行動をとるべき
山崎製パンは、2014年2月から臭素酸カリウムを使用することを辞めました。しかし、山崎製パンは臭素酸カリウムの使用中止を記者会見やホームページで、一般消費者である私達に大々的に知らせませんでした。
日本の大手企業としてあるまじき行為です。それぐらい臭素酸カリウムを使用していたことが後ろめたく、世間に周知することで売上に影響が下がるかもしれないと思っためと言わざる得ません。
業界最大手の山崎製パン
山崎製パンはパン業界のパイオニアであり、販売ネットワークを昔から開拓していくことに成功したため、業界断トツトップの地位を守り続けています。セブンイレブンなどのコンビニのパンはほとんどが山崎製パン、スーパーなどでも50%以上は同社商品です。
また、山崎製パンは日本一の販売金額の和菓子メーカー(饅頭やみたらし団子など)です。和菓子でも成功した理由は、パンの販売ネットワークに和菓子の商品もうまく乗せることができたことが大きいようです。
臭素酸カリウムを使用中止理由
山崎製パンが臭素酸カリウムを使用中止した理由は、「この10年で酵素製剤の種類が格段に増え、組み合わせによって臭素酸カリウムを使うよりもおいしいパンができるようになった」(2015年9月22日産経新聞)ためと説明。
今まで使用してきた理由は、カビを防止するための保存料として使っていたのではなく、ましてや「危険な発がん物質だからやめたというわけではない」とのこと。
日本で一番パン製品を私たちの食卓に運んでいる山崎製パンが、なぜもっと私たちの目や耳にに入ってくるように伝えなかったかは、疑問が残ります。
「なぜそんなものを今まで使っていたのか」と言う世間からの声から自社ブランドに傷がつき、売上が下がるのを懸念したためでしょうか。答えはそう考える以外になさそうですが・・・。
臭素酸カリウムとは?
製パン改良剤、ま小麦粉処理剤と呼ばれる食品添加物です。パンを焼くときの生地に臭素酸カリウムを添加すると、小麦粉のたんぱく質に効果的に作用し、パンの品質(膨らみ方や食感)が向上するといわれています。
以下は日本生協連安全政策推進部の臭素酸カリウムに関するQ&Aになります。日本生活協同組合連合会(コープ)は、食の安全へ取り組んでいる団体です。
Q1.安全性に関して、日本ではどういう点が指摘されていますか?
発がん性を指摘されたことがあります。日本における研究では、ラットに対して発がんのイニシエーター(遺伝子そのものに障害を与える作用)、プロモーター(発がんを促進する作用)の両方の作用を有するという結果が報告されています。
Q2.国際的な安全性評価や指摘とはどういうものですか?
FAO/WHOの合同食品添加物専門家委員会(JECFA)は、現在「臭素酸カリウムの小麦粉処理剤としての使用は容認できない」と結論しています。
Q3.日本生協連ではどのような区分に位置付けている添加物ですか?
日本生協連商品基準では臭素酸カリウムを「不使用」添加物としています。
Q4.(社)日本パン工業会による新しい情報とはどのようなものですか?
- 臭素酸カリウムの残留分析法が進歩して、極微量なレベルでの分析が可能になった。2003年3月には、厚生労働省から、検出限界0.5ppb*3の高感度な分析法が通知されている。
- ふたをして焼く角型の食パンでは臭素酸カリウムの分解が進みやすく、残留しにくいことがわかった。
- 臭素酸カリウムの製剤自体についても改良が進み、新開発された溶液タイプの製剤は、パンを焼く時に分解が進みやすいことがわかった(従来は粉末タイプ)。
- 角型の食パンに対して溶液タイプの製剤を適正な量使用した場合には、上記の高感度な分析方法において「検出せず」という結果が示されている。
- パン工業会に所属する製パンメーカーが臭素酸カリウムを使用する際の厳密な規定(溶液タイプの製剤の入手方法や使用量などが厳密に管理される仕組み)を自主的に設けた。
- 厚生労働省と協議し、商品の包材に「本製品は品質の改善と風味の向上のため、臭素酸カリウムを使用しておりますが、その使用量並びに残存に関しては厚生労働省の定める基準に合致しており、第三者機関によって確認されております」((社)日本パン工業会科学技術委員会小委員会)と表示することにした。
- 国内麦の小麦粉はグルテン(たんぱく質)が少ないため一般に食パンには適さないが、臭素酸カリウムを添加して国内麦100%の食パンを試作したところ、臭素酸カリウムの効果により高品質の食パンができた。
Q5.現時点で、安全性に関して日本生協連はどのように考えていますか?
まだ国際的に安全性評価の中身が進展したとはいえず、日本生協連としては、臭素酸カリウムは使用すべきでないと考えています。
Q6.「パンの焼成と臭素酸カリウムの分解」の新しい知見はどう考える?
新しく開発された製剤についての知見のため、厳密な評価の上で国の規格や使用基準に反映すべきと考えます。
山崎製パンはカビないか実験
テストパン内容
- ヤマザキ:ランチパック 小倉&マーガリン~臭素酸カリウムを使用
- ヤマザキ:超芳醇~臭素酸カリウムを使用
- Pasoco :超熟~イーストフード、乳化剤は不使用
- フジパン:本仕込
実感の様子はこちらのサイトをご覧ください。
山崎製パンもカビる結果に
山崎製パンも他のパンと同様にカビが生えました。ただ一点注意しておきたい点は、「このパンには品質改善と風味の向上のため臭素酸カリウムを使用しています。残存に関しては厚生労働省の定める基準に合致しております。」とヤマザキパンに記載されていたことです。
厚生労働省の定める基準というのは0.5ppb以下の含有を指し、これを「残存しない」と定義付けているようです。山崎製パンの表記では、利用はしているけれども厚生労働省の基準は守っていると説明しています。
0.5ppb以下の臭素酸カリウムを継続して摂取した場合、どういう結果になるかは誰にもわかりません。1ppb(parts per billion)は10億分の1です。小麦粉1kgに30mgまで添加可能で、最終的に0.5ppb以下なら大丈夫です。
私は、同社パン製品を一切食べない派です(当時妻の食品に対する考えに納得したため)。それは、当時も今(2016年11月27日現在)も変わっていません。
業界トップの企業は、消費者に信頼されている企業であることが理想です。もしそうでなければ、その企業は努力するべきです。それもできなければ、そうなるように国やメディアが企業を名指しにしてでも叩くべきです。
日本の超一流企業が「良いことも悪いことも消費者に正直に伝える」ことは、難しいのでしょうか。みなさんはどう思いますか。
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