高い技術と安全な施設の出産環境。総合周産期母子医療センター完成
これまで治療できなかった赤ちゃんをサポート
川越市の埼玉医科大学総合医療センターは、総合周産期母子医療センターを2013年1月17日に完成しました。
ここでは高齢出産、未熟児や出産リスクの高い妊婦を受け入れる設備が、世界最大規模で整えられています。
安心して出産できる整備の背景
埼玉医科大学総合医療センターは、未熟児や出産のリスクの高い妊婦を受け入れることができる埼玉県内で唯一の総合周産期母子医療センターがあります。高齢での出産が増え、出産時のリスクも増す中で、安心して出産できる環境を整えようとおよそ30億円をかけて専用病棟を完成させました。
毎年埼玉県では、約6万人の赤ちゃんが産まれます。その産まれる赤ちゃんのうち、治療が必要なすべての赤ちゃんをサポートできていませんでした。その数は、治療が必要とされる赤ちゃんの数の6割にとどまり、残りの4割の赤ちゃんは東京都内などで出産するケースも少なくありませんでした。
専用病棟は鉄筋コンクリート5階建てです。今後は病院内を整備することで、今まで以上に受け入れ体制が拡大されます。専用病棟に増やされた主な設備は、以下になります。
NICU=新生児集中治療室が2倍の60床
GCU(NICUを出た新生児が入院する)=回復治療室のベッドも18床から48床
埼玉医科大学の総合周産期母子医療センターの田村正徳センター長は、「埼玉県が安心して出産できる環境になれるよう、体制の整備を進めたい」とのことです。
総合周産期母子医療センターとは?
総合周産期母子医療センターの「周産期」とは出産前後の期間という意味です。産科と新生児科両方の医療が必要になる期間で、周産期センターはその2つが組み合わさっている施設です。
たとえば、難しい赤ちゃんが診られる病院は小児専門の病院で、産科がなかったりします。すると問題があったとき大きな病院へ移動が必要になってきます。
でも、周産期センターなら赤ちゃんはお母さんと一緒にいるため、赤ちゃんに問題があっても、お腹の中にいるときの監視、出産、産まれてからの治療や手術など全部を同じ施設でできます。周期センターは、赤ちゃんとお母さんの安全性も高まります。
総合周産期母子医療センターの設備
同センターは下記の特殊な設備によって、2つの施設に分かれています。人員や設備の体制は、24時間体制で行われているので、治療が止まることがありません。
総合周産期母子医療センター
MFICUが6床以上、NICUが9床以上あり、それぞれに24時間・365日態勢で産科医と新生児科医が勤務しています。
地域周産期母子医療センター
総合周産期母子医療センターに近い設備やマンパワーを持っています。
県内にいくつもない総合周産期母子医療センターを助ける存在です。
- MFICU
母胎胎児集中治療室‥‥妊婦さんの集中治療室です。PICU(周産期集中治療室)と呼ばれることもあります。 - NICU
新生児集中治療室‥‥赤ちゃんの集中治療室です。
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