葉酸とビタミン12でアルツハイマー改善!認知症予防に効果あり
葉酸とビタミン12が認知症患者に与える効果
日本の認知症問題は、もはや高齢者に限ったことではありません。近年では、64歳以下で発症する若年性アルツハイマー症が問題になっています。
今回の実験では、「葉酸」と「ビタミン12」が認知症患者に与える新しい効果がわかりました。
一般的な葉酸の働きの効果
妊娠中の初期段階では、葉酸がママの体に欠かせないものという認識は、多くの人が知っていることかもしれません。その理由は、ずいぶん前からそのことがわかって、ネットや雑誌、テレビなどのメディアで取り上げられてきたからです。
しかし、葉酸の効果は妊娠中だけではありませんでした。葉酸には認知症の予防や改善する効果があることがわかってきました。
アルツハイマー病患者実験では初
福岡県にある見立病院は、軽症期のアルツハイマー病患者にビタミンB群の一種の葉酸、またはビタミンB12を投与すると症状が改善することを実証しました。
葉酸とビタミンB12が、アルツハイマー病の危険因子のホモシスチン(必須アミノ酸の老廃物)の血中濃度を下げることについては、従来の研究で明らかになっていました。しかし、実際に認知症患者の集団に投与し、それを証明したことなく、今回が初めての試みでした。
初期段階の認知症患者に効果あり
同病院では、軽症期の認知症患者を3つのグループに分けて実験しました。
- 葉酸を1日1錠投与する第1群(90人)
- 1日に葉酸1錠とビタミンB12を3錠投与する第2群(92人)
- アルツハイマー病の薬「アリセプト」を投与する第3群(40人)
※アリセプトは国内で唯一使われている薬
上記の3つのグループに分けて行われた実験は、2005年から1年間観察され続けました。実験データは、認知症の重症度を示すミニメンタルテスト(30点満点で、値が低いほど重症)で、効果検証されました。
この結果、観察前は第1~3群とも平均20点でしたが、1年後には第1群は23点、第2群は25点に改善しました。一方、第3群は18点に悪化。また、第1と2群はホモシスチンの血中濃度も下がっていました。
実験結果では、中等症期以上の認知症患者に葉酸やビタミンB12を投与しても効果がなかったことから、葉酸やビタミンB12は発病早期にのみ有効なことが明らかになりました。
実験メンバーは「根本療法にはならないが、病気の進行を遅らせるアリセプトしかない現状からみると、今回の検証は認知症患者にとって朗報。」との見解を示し、また一歩認知症を改善する足がかりなったことがわかりました。
これから私たちは高齢化社会から、超高齢化社会へが進んでいきます。今後の食生活の中には、年齢に関係なくアルツハイマー予防をするという意味で、積極的に葉酸を取り入れていきたいです。
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