ミルクの作り方と種類と成分。衛生的なミルクが必要な理由
免疫がない赤ちゃんに衛生的なミルクが必要
赤ちゃんの体は免疫がない
赤ちゃんは無菌状態のままですが、ママの母乳によって「免疫グロブリン」という物質が与えられます。それがあるから赤ちゃんは、病気やばい菌から守られています。ママの免疫が聞かなくなる時期が、だいたい6ヶ月ぐらいといわれています。
ママの免疫効果がなくなるこのころから、赤ちゃんの予防接種がはじまります。そして自分でも免疫を少しずつ作れるようになっていきます。
飲み残しミルクは捨てる
衛生面に気をつけたミルクを作るには、消毒しておいた哺乳びんや乳首を汚れた手で持つと雑菌がついてしまいます。ミルクを作るときの最初の準備は、手をきれいに洗いましょう。
また缶とスプーンの扱い方にも十分注意しましょう。ミルク缶は必ず常温で保管し、ふたをしっかり閉めて密閉し、湿気を避けましょう。
ミルクを哺乳びんに入れるとき、蒸気によってスプーンにミルクがこびりつきます。そのスプーンをそのまま缶に戻すと、カビが生える原因になります。こびりついたミルクをティッシュでふき取ったら、スプーンは缶に入れず、別の容器で保存するようにしましょう。
ミルクを飲み残した場合は、取り置きせずに捨てましょう。面倒かもしれませんが、1回ごとに新しいミルクを作ってあげましょう。
ミルクは栄養豊富なため、時間をおくとすぐに雑菌がわいてしまいます。ミルク缶には「2時間以内に飲んでください」などと書かれていますが、飲み残しは必ず捨てましょう。飲み残しが気になる場合は、1回に作る量を少なめにして作るといいかもしれません。
ミルクの作り方
1.哺乳瓶にお湯を入れて洗浄・殺菌する
沸騰させた飲用水を約70度以上に保ち、やけどに注意しながら、消毒した哺乳びんに正確な量のお湯を注ぎます。お湯の量はでき上がり量の3分の2を目安にします。
2.ミルクはすりきりで量る
正確な量の粉ミルクを、哺乳びん中の湯に加えます。ミルクの量は、すりきりで量りましょう。哺乳びんの下にティッシュなどを敷いておくと、こぼしたときに後片付けが簡単です。
必ず缶についている専用のスプーンを使いましょう。ミルクの粉の量が多いと消化が悪くなってしまいます。逆に少ないと栄養が不十分になります。
3.哺乳びんを振る
上下に振ると泡立ってしまうので、内側についた粉を溶かしながら、円を描くように軽く振ってください。
4.できあがり量までお湯を加える
70℃以上のお湯を加えます。
5.人肌になるまで冷ます
熱すぎる場合は流水に当てるか、水を入れたボウルに哺乳びんごと浸して冷まします。中に水が入らないように、冷却水は哺乳びんのキャップより下に当てるようにします。
人肌の授乳適温になったことを確認してから、哺乳びんの外側についた水を清潔なふきんでふき取り、赤ちゃんに飲ませてあげましょう。
ミルクが適温かどうかを知りたいときは、温度差を感じやすい腕の内側に1滴落としてみましょう。温かく感じる(約40度)くらいでOKです。後調乳後(ミルクを作った)、2時間以内に使用しなかったミルクは捨てましょう。
ミルクの種類と成分
市販されているミルクの成分は、牛乳を原料にして加工されたものです。しかし長年の研究と改良により、母乳に近い成分を含んだものになってきています。
母乳に近づいていることは確かですが、母乳ではありません。母乳は栄養以外にも、母と子の絆を深める効果もあるので、可能であれば母乳を与えてあげたいですね。
ミルクの主要成分には基準がありますが、製品ごとに少しずつ特長が異なります。理由は、よりよいミルクを作るために各メーカー独自の開発・研究が重ねているからです。例えば先天的に栄養素の代謝異常がある乳児のための治療用ミルク、アレルギー用ミルクなどがあります。
ミルクの主要成分
炭水化物
おなかの調子を整える役割を持っています。 ミルクの糖質のほとんどは乳糖ですが、母乳オリゴ糖やシアル酸も含まれています。乳糖は脳の発達を助け、母乳オリゴ糖はおなかの調子を整え、シアル酸は病原菌の感染から守ってくれます。
タンパク質
タンパク質は筋肉や血液をつくり、その機能を調整する働きをします。初乳に多く含まれるラクトフェリンは、病気への抵抗力が期待できる成分として注目されています。
脂質
脂質はエネルギー源、必須脂肪酸の供給源です。母乳と牛乳では含まれる脂肪酸の組成が異なります。ミルクには数種の植物油を組み合わせて配合し、脂肪酸のバランスを母乳に近づけています。
ミネラル、ビタミン
ビタミンKを強化してくれます。ミネラルは骨や歯をつくる重要な成分で、牛乳には母乳の約3.5倍含まれています。そのまま与えると腎臓に負担がかかるため、母乳に合わせてバランスよく配合されています。
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