代表的なスパイス10種類の効能。香辛料は料理をうまくするだけじゃない

健康,料理スパイス

肉や魚、スープやソースに使える香辛料

スパイスは、冴えない料理でも一振りするだけで、おいしくしてくれる調味料。そのスパイスの種類は、なんと100種類以上もあります。その中でも代表的なスパイスを10種類ご紹介します。

ブラックペッパー(黒コショウ)

肉や魚料理など世界中で最も幅広く利用されているスパイスの一つです。かつては貴重品として重宝され、ヨーロッパの一部では金と同じ価格で取引されるほどでした。

一般的に知られている黒コショウですが、他にホワイト、グリーン、ピンクがあります。料理は下ごしらえ、料理中や食事中など様々なシーンに利用できることからスパイスの王様と呼ばれています。

  • ブラック:色づく直前の緑色の未熟な実を皮ごと乾燥させたモノ
  • ホワイト:赤く熟した実を水につけて皮をむき乾燥させたモノ
  • グリーン:未熟な実の緑色が残るように乾燥させたモノ
  • ピンク:完熟した実を乾燥させたモノ

効能

唾液の分泌を促して消化を助けます。体を温めたり、吐き気、むくみ、便秘にも効果があります。

コリアンダー(香菜・パクチー)

コリアンダーの葉はハーブとしてもよく知られるパクチー」(香菜)です。青葉は南京虫のような青臭さ、不快臭を持っています。この独特の芳香に病みつきになる人が後を断ちません。

完熟した実は青葉とは違って、爽やかな甘い香りを持ち、青葉と同じ植物からなるものか疑ってしまうほどです。

効能

味覚を良くして食欲を高め、熱病、喉の渇き、灼熱感を抑えます。胃腸の働きを促進し、新陳代謝を高めます。独特の香りをもつ葉・茎にはカロチン、ビタミンが豊富に含まれており、一方シード(種)は、万人好みのさわやかな香りがします。

シナモン(肉桂)

シナモンはクスノキ科の常緑樹で、幹や枝の樹皮を細長い形状にはぎ取り、コルク層を除去したものがシナモンとして利用されます。原産地はインド、マレーシア、スリランカなどの熱帯各地で幅広く栽培されています。

シナモンはスパイスとしても使われますが、元々は生薬や漢方として利用されてきました。近年ではお菓子作り、アロマオイルとしてもよく使われています。

効能

体を温める作用が大きく、血液循環が良くなり肌の色を美しくし、胃腸の働きを強めて内蔵を強化します。他の薬草が体内に吸収、利用されることを後押しするアーユルヴェーダのハーブでもあります。

ターメリック(うこん)

ターメリックは、見た目の色通りカレーの香辛料としてよく使われています。独特の香りとほろ苦い風味が、カレーパウダーには欠かせません。

ジンジャーの中まで根の部分を茄でて天日干ししたものです。調味料や着色料の食品以外に衣料品としても用いられています。

効能

強い抗菌作用があり、血液を浄化し、血管の新陳代謝をよくし、温め、新しい血液組織の生成を促します。特に、高たんぱく食に加えると消化を助けて、腸内細菌叢を整えます。

クローブ(丁子)

クローブはインドネシアのモルッカ諸島原産で、主にタンザニア(ザンジバル島)、マダガスカル、ブラジル、インドネシアで栽培されています。肉の臭み取りや焼き菓子には欠かせない香辛料です。ターメリックと同様日本では元々漢方薬として使われていました。

効能

胃を温めて、ガスによる腹痛や胃痛にも効果がありあます。強い殺菌力から、口臭を抑えたり、虫歯や歯周炎にはホールを噛んでると痛みが和らぎます。

クミン(馬芹)

日本人のカレーには、欠かせない香辛料がクミンです。日本のカレーの香りは、クミンの香りが中心となっています。胡椒と同じぐらい歴史あるスパイスですが、現在では西欧よりもインド、メキシコ、東南アジア、アフリカなどのいわゆる「エスニック料理」に欠かせません。

効能

化液の分泌を促すことで消化促進、腹痛や胃痛などを緩和します。駆風作用にも優れていて、ガスがたまりやすい豆類やカリフラワー料理、つゆの時期には欠かせないスパイス。

ジンジャー(生姜)

ジンジャーはインドなどの熱帯アジアの原産で、今日では熱帯・亜熱帯地域をはじめ世界中で栽培されています。中国ではとても古くから薬用として利用され、紀元前4世紀の医学書にもその効能が記されています。

効能

消化力を強めて体を温め、保温、解熱、新陳代謝を活発にします。辛味スパイスのなかでも、胃や腸などの消化器に対して辛味の刺激を及ぼさない唯一の香辛料。また、刺激の強い薬を飲むときに併せて飲用すると、それらから胃を守ってくれる効果があると言われています。

ナツメグ(肉荳)

種子のまわりの網目状の赤い皮の部分がメース、ナツメグはその皮の内側の黒い種子を割った中の部分です。メースとナツメグは似ている香味で、甘い刺激性の香り、まろやかなほろ苦さが特徴です。

効能

中国や日本でも健胃薬として古くから使われており、消化促進、特に小腸の吸収力を高め、便秘を解消し、肌を美しくするスパイス。加熱すると刺激臭は弱くなって甘さが出てきます。肉料理の臭みけしにも。

マスタードシード(芥子)

マスタードシードは、アブラナ科の一年草の種子です。日本ではイエローマスタード(自からし)、ブラウンマスタード(黒がらし)、和がらし(オリエンタルマスタード)の主に3種類が流通しています。

マスタードシードはつぶすなどしてから、水分と合わせると特有の辛みと香りを発します。イエローマスタードはマイルドな辛み、ブラウンマスタードはそれよりも刺激的な辛みで、和がらしは鼻にツンとくる鮮烈な辛みです。

日本でおなじみの「からし」には、和風ねりがらしとねりがらしの2タイプがありますが、後者は和がらしと白がらし(イエローマスタード)を併用しているため、いくぶんマイルドです。

効能

インドでは主に辛味と刺激性の強いブラックマスタードが使われます。辛味から消化の火を燃え立たせて消化力を上げます。シードから搾油したマスタードオイルは、利尿剤、神経痛湿布薬などにも使われます。

カルダモン(小豆蒄)

カルダモンは、インド、スリランカの原産です。世界で最も古いスパイスの1つと言われていて「スパイスの女王」とも呼ばれ、インド料理には欠かせません。カルダモンの名は、ラテン語で「心臓」を意味するcardiaと植物名amomumに由来すると言われています。

カルダモンは栽培も収穫も難しく手間がかかることから、サフラン、バニラなどとともに高価で貴重なスパイスです。コーヒーに加えて香りをつけて飲んだり、カレー料理の風味づけ、肉料理やソース、お菓子などの香り付けにも用いられます。

効能

唾液の分泌を良くし、消化吸収を助けます。体の脂肪を取り、食品の消化を助け、口臭も取り去ってくれます。精神と感情をも刺激し、ストレスを緩和し脳を活性化させる働きもあります。

Posted by webclim11099