妊娠中のインフルエンザ予防接種。受けるリスクと受けないリスク
インフルエンザの予防接種は妊婦も大丈夫!?
妊娠中はママが風邪を引いた場合でも、おなかの赤ちゃんには心配ありません。なぜなら、赤ちゃんは羊水で守られているため、風邪の影響をうけない可能性が高いと考えられています。
しかし38度以上の熱は例外です。高熱は羊水を温めてしまい、赤ちゃんにも影響が出るかもしれないと言われています。
ワクチンで発症率が20%に下がる
海外(バングラディッシュ)の臨床試験結果では、妊婦にインフルエンザの予防接種をすると母親だけでなく、新生児にも高い効果があることが発表されました。
その発表では、臨床試験者約300人に対してインフルエンザのワクチンを150人、肺炎球菌のワクチンを150人に接種して経過観測をしました。
生後6ヶ月までの赤ちゃんの健康状態を追跡した結果、インフルエンザの発症率が約20%まで下がったとのことです。
インフルエンザのワクチンに対する厚生省の見解
2009年9月まで日本の厚生省は「可能な限り危険性を排除するため、国内では勧めていない」としていましたが、2009年10月に季節性用、新型用ともに接種可能とする方針を示し、 妊娠週に関係なく接種できるようになりました。
「妊婦の副作用や胎児に影響が出る危険性はない」との研究結果を受けて、現在では妊娠中の人には、ワクチンの積極的な接種が勧められています。
アメリカや世界保健機関(WHO)では、2009年10月より前から妊婦へのインフルエンザのワクチン接種が勧められていましたが、気になるコメントを発表しています。
WHOは2009年10月に、「妊婦は一般の人より集中治療室(ICU)を必要とする確率が10倍高い」、「特に妊娠28週以降の妊婦は注意が必要」といった声明を出しています。妊娠週数が進むにつれ重症になりやすいので、やはり予防と早期の治療が大切です。
インフルエンザ予防接種はどうすればいい?
基本的には担当の先生に相談して問題なそうであれば、予防接種を受けて大丈夫です。ただ妊娠の可能性がある妊娠初期の場合や以下ケースでは注意が必要です。
妊娠初期
妊娠初期を含め悪影響はないとされていますが、流産の可能性が高い妊娠初期には、インフルエンザのワクチンは避けた方がいい傾向があるようです。妊娠の疑いがある場合は、妊娠の確認を必ず行いましょう。
重度の食べ物アレルギー
食べ物アレルギーの方がインフルエンザのワクチンを接種すると、重篤な副作用を起こす可能性があります。担当医と相談してから投与する必要があります。
ワクチンに入っている保存剤
新型インフルエンザでは、妊婦は保存剤の含まれないワクチンを選ぶこともできますが、保存剤が含まれていても安全性に問題はないと考えられています。
インフルエンザ予防接種を受ける理由
インフルエンザの予防接種を受ける理由は、予防接種による副作用や副反応よりも病気(インフルエンザに感染)になる方が、症状が重い傾向があるという判断によるためです。
インフルエンザに関するQ&A
妊娠中のインフルエンザウイルス薬
妊娠中にインフルエンザに感染した場合は、インフルエンザウイルス薬ははっきりと安全性が確認されていません。担当医と相談してから投与する必要があります。
授乳中の場合
授乳中のインフルエンザのワクチン接種に関しては、問題ありません。
今後妊娠するかもしれない場合
これから妊娠を望んでいる方は、妊娠前に予防接種を済ませることが望ましいです。妊娠前に予防接種をしておけば、妊娠したときにインフルエンザ感染予防ができます。
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