ベビー用品の対象年齢引き上げ。子どもには良い影響?
対象年齢引き上げは、実は大人の事情で行われた!?
ベビー用品の対象年齢は、日本と海外を比べると日本よりも海外の方が長いことに驚きました。※「対象年齢が高い=使用期間が長い」と思っていただく認識で大丈夫です。
日本のベビーカーメーカーが、海外用品と同じように対象年齢を引き上げただけで、売り上げが大きく伸びました。なぜなのでしょうか。
対象年齢を引き上げたら、結果的に売れた!
国内のベビーカーの使用年齢は、安全面としつけの面から2歳までと明記されているのが一般的で、自分の足で歩けるようになったら、脚力をつけるためにもなるべく自力で歩かせる考え方が、従来の考え方でした。
しかしそれが数年前から、海外の大型ベビーカーが日本で販売されるようになった頃から徐々に状況が変わりました。
そのうちの1社である英国マクラーレン社製品は、4歳の誕生日までとした長い対象年齢が人気になりました。販売台数は、7年前(2004年)の日本市場に参入してきた当時の80倍にまで伸びて、国内シェアの約10%を占めるまでに成長しました。
その海外勢の売上を知った国内ベビーカーのアップリカが、2008年2月に一部店舗で対象年齢を「4歳頃まで」に引き上げた新商品を発売しました。同年7月から全国販売したベビーカーは、予想以上の売れ行きとなりました。
おむつの取れる時期が遅くなってきた
おむつがはずれる年齢が遅くなっている中ユニ・チャームは、ベビー用おむつに従来のビッグサイズより5キロ前後アップして、25キロまでを対象としたオムツを2009年3月に業界で初めて販売しました。25キロは約小学2年生の平均体重です。
担当者は「ひと昔前は、3歳くらいまでにおむつがはずれるようにトレーニングが一般的でした。今は強制して子どもにストレスをかけてまで、はずそうとするのは良くないといった意見が多く、おむつがはずれる時期がまちまちなので対象年齢の幅を広げた」との説明でした。
お茶の水女子大学子ども発達教育研究センターの榊原洋一教授は「大人が自分の都合で快適な生活を追求する余り、育児の負担を少しでも減らそうと、子どもが成長しても長く使えるベビー用品を望んでいるのでは」と分析しています。
その上で、だからといって、子どもの体力が低下したり、自立が遅れたりするという証明はハッキリされていないため、「ベビーカーなどの商品の対象年齢を引き上げることはよくない」と現在のところは言えないとのことです。
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