自動車保険の値上げが続く4つの理由!保険会社の収益バランス悪化
自動車保険料は今後も値上げが続く?
今まで自動車保険は、契約期間中に保険を使わなければ、次の契約では保険料が安くなるのが普通でした。基本的には今も事故をしなければ、保険料が下がっていく仕組みは残っていますが、保険料が下がりません。むしろ値上げされています。
理由は、保険会社がここ数年の間、販売する自動車保険を値上げし続けているためです。ではなぜ保険会社は、今まで行ってこなかった自動車保険の値上げを一斉にしはじめたのでしょうか。
自動車保険が値上げされる4つの理由
2011年から大手損保が相次いで自動車保険料を値上げに踏み切った理由は、保険会社の収入が減った為です。その年から、自動車保険の値上げラッシュははじまりました。「なぜ保険会社は値上げをするのか」の根本的な理由は、以下の4つになります。
1.若者の車離れで保険契約が減った
昔の若い人は、車に乗ることがステータスやカッコイイと感じていたり、交通機能が今ほど整っていなかったため自由な生活をするために必要だったなどの理由で、自動車を持つ人が今よりも多くいました。
今の若い人たちはどうでしょうか。車を持つことに強く憧れる人は、私の周りを見ても少なくなってきています。そもそもメーカー各社が販売している車が、どれも同じような形をしていて魅力がなくなってきているのも、若者の車離れを加速させた要因の一つかもしれません。
2.事故率の高い高齢ドライバーの増加
テレビやネットを見ていても、高齢者の自動車運転の事故があとをたえません。年を取ればとるほど身体能力が落ち、反射神経が鈍り、注意力が散漫になっていってしまいます。自動車事故の確率は、高齢者社会になればなるほど高くなるのはいうまでもありません。
自動車事故が増えるということは、「保険金の請求件数が増える」ということです。これから日本は、今の高齢化社会から超高齢化社会への道を進んでいきます。
保険会社の収支バランスによる自動車保険の値上げは、どこまでの高齢化社会を想定して試算しているのか不明ですが、超高齢化社会までを想定しているとは思えません。そう考えると、これからも値上げは続いてしまうのではないでしょうか。
3.損害保険料率算出機構の参考純率の見直し
上記の保険会社の収支状況や社会的背景を考えて、損害保険料率算出機構が自動車保険の参考純率を見直し、2009年に全体で5.7%の引き上げを行いました。さらに2014年に0.7%を引き上げています。
参考純率とは、保険料計算に用いる計算式で、引き上げ=値上げになります。自動車保険の値上げは、無事故を続けている人も無関係ではありません。その理由は、参考純率が「純保険料率」部分の基礎になっているからです。
「純保険料」とは、保険料のうち保険金の財源になる部分のことです。「保険金の支払いに関係する部分の値上げ」なので、無事故でも無関係ではいられません。根本的な話ですが、保険は、万が一のリスクに備えて契約者全員で支える仕組みで成り立っているからです。
4.新たな年齢区分や車両料率クラスの見直しによる値上げ
年齢区分
自動車保険の運転者年齢条件が、昔と比べて変わりました。昔の年齢の区分は30才(または35才)以上が一律でしたが、現状では実質10年齢ごとに区切られることになりました。
車両区分
無事故なのに保険料が上がった人は、自分の車の車種や型式を確認してみてください。その車が事故や盗難が多い車であった場合は、保険料が高くなっている可能性があります。
実は自動車保険には、車両料率クラスがあり、車種や型式ごとに保険料が分かれています。車の車種によって事故にあうリスクや盗難にあうリスクが異なります。
例えばスポーツカーに乗る人は、スピードを出す傾向高く、事故リスクが高くなります。また軽自動車よりも高級車の方が盗難リスクが高くなります。
「車両料率クラス」は、こういったリスクに合わせて車種(型式)ごとに保険料が決めれ、毎年改定されています。
保険料が値上げになったら、自動車保険を見直す
「無事故期間がなくなれば、自動車保険が下がるからそのままにする」考え方は、昔の考え方です。あなたの車の使い方や年齢に合った新しい自動車保険プランは、次々と出てきています。
自分の自動車保険料の値上げが気になったら、他社の自動車保険を検討することをオススメします。
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