手書きが脳を活性化させる!子どもだけじゃない、大人も意識しよう
子どものはタブレットではなく、ペンを握ることが大切
私たちの日常生活にはスマホやタブレット、パソコンが欠かせないものとなり、ペンを握って字を書くことが減ってきています。一日を通して、一度もペンで字を書かない日があっても珍しくありません。
昔は当たり前だった「ペンを握って字を書く」時間が、大人だけでなく子どもの時間までも失われつつあります。2000年頃から小中学校では、1人1台のタブレットを持って勉強する環境が徐々に広がりつつあります。
しかし、その一方で「子どもとってペンを手で字を書くことが大切」なことが発表されました。
手書きする効果
米誌「ウォールストリートジャーナル」は、パソコンのキーボードで文字を入力するよりも、実際にペンを握って文字を書いた方が、より脳に強い刺激を与えることができ、記憶する能力など脳への効果に高い影響があることを発表しました。
新しい言葉の存在や意味、漢字の書き方を勉強をするときは、ペンを握って手書きで文字を練習した方が、脳への刺激が高くなるため、短時間で学習することができると研究者は教えてくれています。
またある研究者は、頭を活性化させたい壮年期(アラフォー)の大人にとっても、ペンを握って字を書くことは、様々な効果をもたらしてくれます。
手書きする3つのメリット
1.物忘れが減る
脳は、膨大な情報を管理するため、キャパオーバーにならないよう「忘れる構造」になっています。
「エビングハウスの忘却曲線」の研究では、記憶したものは1時間後に56%、1日後には74%、1週間後には77%忘れてしまうことがわかっています。時間と共に記憶が亡くなっていくのは自然な現象です。
とはいっても、勉強や仕事で大切なことは、忘れてしまうと困ります。そこでいかに必要な情報を脳へ蓄積させるかが重要なことです。それに役立つのが、手書きです。
普段はスマホやタブレットを利用しているけれども、重要なことに関してはペンを握って手書きにするだけで、脳への記憶のされ方が変わり、大切な記憶としてとどめておくことができます。
また日常から手書きすることを習慣づけることは、脳が鍛えられることにより「忘れにくい脳」になります。年を取るごとに記憶力は下がる傾向にありますが、手書きをすることで記憶力が維持できます。
2.集中力が身につく
手書きで文字を書いているときは、神経が研ぎ澄まされているので高い集中力を維持することができます。脳には、網様体賦活系(RAS)という部分があり、これが脳の処理能力に大きく関係しています。
手書きすることは、指の繊細な動きによって網様体賦活系(RAS)が刺激され、集中力を維持したり、養うことができます。
「何か考え事をしているとき」は、メモ帳などに書きながら考えるようにしてみてください。自分の考えを整理することができ、その結果今まで思いつかなかったアイデアが閃くかもしれません。
3.感情を記録する
手書きの文字には、そのときの心理状態が表れます。字は楽しいときは勢いよく、悲しいときは弱々しいなどの印象になります。
ブログなどの日記は、デジタルの情報なので繊細な心理状態までは残せません。
人間の記憶は曖昧で、時間が経つと改変されたり美化されます。そのときの自分の思い出をを残すには、自分の手で書いた方が「色あせない思い出」として残すことができます。
子どもの手書き癖
小学生や中学生のときは、誰もが手書きで漢字の練習をした記憶があると思います。「こんなに何回も、同じ字を書く意味はある?」と思ったことがあるのは、きっと私だけではないと思います。
最近の研究成果では、「繰り返し同じ字を練習する意味」についてわかったことを専門家が教えてくれています。一言でいうと、「繰り返し行う手書きの練習は、子どもを賢くする」とのことです。
アメリカの医療関連会社「Health Key」の記事では、「子どもは手書きで文字の練習をした方が、ただ文字を見たり音読するよりも、認知能力が向上する」研究結果が発表されました。さらにその研究発表では、手書きが脳を活性化する新たな効果もわかりました。
キーボード入力(タイピング)と手書きの大きな違い
キーボードで入力された文字は、どれも同じ文字になりますが、手書きの場合は一つひとつの文字に違いが出ます。手書きから生まれた「世界に一つだけしかない文字」が、認知能力を高め、脳を活性化させてくれます。
また手書きはタブレットやパソコンの画面よりも、ノートを次のページへめくったりすることで、実際に勉強や仕事をしている実感を得ることができます。この身体的な感覚が、脳に非常に良い効果を与えてくれます。
普段はスマホやタブレットで行っていることを手書きにしてみてはいかがでしょうか。それだけで脳が活性化され、いつもと違う視点や感覚で生活できるかもしれません。
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