櫛でとかせない頭髪症候群。子どもの髪が感電したような髪型に
子どものヘアスタイルが縮れた髪になる症状
世界中で起こる不思議な症状
「櫛でとかせない頭髪症候群」って、聞いたことはありますか。
日本ではあまり聞いたことのない症状ですが、子どもたちのヘアスタイルが、感電したようになる症状(=櫛でとかせない頭髪症候群、または櫛でとかせない毛髪症候群)です。その縮れた髪は銀色がかった金色のことが多く、伸びると収まりがつかず、たてがみのようになるようです。
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髪の毛の原因は遺伝子
1970年代以降、頭髪症候群の子どもは、科学者によって約100の事例が記録されています。しかし、診断を受けていない実際の子どもの数は、もっとたくさんいた可能性が高いようです。
これまで長い間、その発祥原因がわかっていませんでしたが、ドイツにあるボン大学の研究チームが、その原因を明らかにしました。
この遺伝子の状態は、主に生後3ヶ月~12歳位までの間に発症することが多いのが特徴です。症状は「成長とともに症状が改善されていく」ことが多いことがわかっていましたが、それ以上の原因は明確にわかっていませんでした。
同大学の研究チームは、頭髪症候群の子供11人の遺伝子を調べたところ、この症状の原因と考えられる遺伝子に突然変異が起こっていることを発見しました。
それは細胞培養実験を行った結果、「毛根の主要なたんぱく質の設計図が入っている遺伝子」または「酵素の遺伝子」のどちらかの突然変異によって毛幹に何らかの異常が起こり、正常な毛髪の発育に影響を与えていることを確認しました。
通常の毛髪の断面は円形をしていますが、櫛でとかせない頭髪症候群を発症している人の毛髪は断面が三角形、楕円形、ハート型に変形していることが確認されています。
「もじゃもじゃ頭のベーダー」ハインリヒ・ホフマン作
作者のハインリヒ・ホフマン(1809-1894)の本業は精神科医です。1845年に自分の息子のために書いた本が、大ベストセラーになった「もじゃもじゃ頭のベーダー」。このドイツの絵本は、日本版を含め世界各国で翻訳されています。
「もじゃもじゃ頭のベーダー」の主人公の髪型は、頭髪症候群の子どもにヒントを得て作られたものだと考えられています。仮にそうだとすると、頭髪症候群は1845年には既に存在していたのかもしれません。
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