妊娠中のこむら返りの原因と予防法。足がつる理由は冷えや疲労、水分不足
妊娠中に起こる、こむら返りはどんな状態?
「こむら返り」とはどんな状態?
こむら返りとは、ふくらはぎの筋肉が収縮することで起こる状態で、一般的には「足がつる」と同じ意味です。
日常生活では、中々足をつることはありませんが、普段使わない筋肉を急に使ったり、筋肉疲労が原因で起こることがあります。よくサッカー選手や甲子園球児たちが試合中に足をつり、まわりの人にケアされている光景を目にしたことはありませんか。そう、アレです。
こむら返りの「こむら」とは、ふくらはぎのことで、その名の通りふくらはぎがつることもあれば、足の指や足の裏がつる人もいます。
夜寝ている間や運動している時に起こりやすいとされるこむら返りは、妊娠中にもよく起こる現象で、代表的なマイナートラブルとしても知られています。
今回はこむら返りの原因や妊娠中に起こりやすい理由、こむら返りを起こしたときの対処法や予防法についてご紹介しています。
こむら返りの原因は?
冷えや疲労
こむら返りの一番の原因とされるのが、冷えや疲労です。デスクワークや立ち仕事で足が疲れていたり、夏の間などエアコンのきいた部屋にずっといたりすると、足の血流が悪くなって筋肉も硬くなり、こむら返りが起こりやすくなります。
ミネラルや水分不足
体の中の水分量が不足したり、カルシウムやカリウム、ナトリウムなどのミネラルが不足すると、血流が悪くなり、足の筋肉が硬直しやすくなります。
よく汗をかく夏場は特に体内の水分やミネラルが不足するので、こむら返りのハイリスクの季節になるので要注意です。
下肢の静脈瘤など足の病気の可能性
こむら返りの原因には、下肢静脈瘤という足の血管の病気が関係していることがあります。
足の血管が浮き出て見えたり、凸凹があったりする場合は下肢静脈瘤の可能性があるので、気になる場合は専門医の受診を検討してみても良いかもしれません。
なぜ妊娠中はこむら返りが起こりやすいの?
妊娠に伴うホルモンバランスの変化
妊娠するとプロゲステロンという女性ホルモンの影響で血管が広がりやすくなったり、赤ちゃんに栄養を与えるために自然と母体の血液量が増えていきます。
体はその影響で下半身に血流がうっ滞し、むくみが生じやすくなり、結果的にこむら返りが起こしやすい状況になります。
妊娠で大きくなったお腹が下半身の血管を圧迫する
妊娠週数が進むと、大きくなったお腹が下大静脈という下半身の血流を左右する大きな血管を圧迫し、下半身に血流が行き渡りにくくなります。
血流がうっ滞することで水分やミネラルが行き渡りにくくなると、筋肉が硬くなり、それがこむら返りの原因につながります。
妊娠中は栄養不足になりやすい
妊娠中は赤ちゃんに沢山の栄養を与えるため、母体の水分やミネラルが相対的に不足しやすくなります。
そして前述した通り女性ホルモンの影響で血液の量が増えますが、血液の中身である血球の数が増えていきません。すると血液が薄まった状態になり、栄養不足につながります。
こむら返りにならないための3つの予防法
1.足の冷えを防ぐ
こむら返りの予防に大切なのが、冷えを予防することです。一番手っ取り早いのが、毎日お風呂に浸かることです。お風呂はゆっくり入ることで、足先から頭まで温まり、一日の疲れを取ってくれます。また入浴剤を入れることで、さらに保温効果やリラックス効果が増します。
その他は、できる限りくるぶしソックスを避けて長めの靴下を履いたり、夏場でも長ズボンを履くことをオススメします。また冬場は厚手の靴下を重ね履きしたり、日常生活の中で工夫してみましょう。
特に妊娠中は内くるぶしから指4本目に当たる、三陰交という部分を冷やさないことが大切です。三陰交は陣痛を促進するツボとしても知られているので、お産に備えて普段から冷やさないように気を付けてみてください。
2.日頃から運動やストレッチをする
日頃から運動やストレッチをすることは全身の血液の巡りが良くなり、こむら返りの予防につながります。またふくらはぎの筋肉を使うウォーキングなどの運動は、足のむくみを防ぐ効果も期待できます。
特に臨月は水を飲んでも太る時期とも言われ、体重管理に苦戦する妊婦さんも多いです。体重管理のためにも、体を動かすことは、普段から少しずつ取り入れていきましょう。
3.バランスの良い食事を心がける
妊娠中は赤ちゃんに栄養を与えるために、母体の栄養が不足しやすい時期になります。特にミネラルの中でもカルシウムやマグネシウム、ビタミンBを積極的に摂取することが大切です。
サプリメントでも良いですが、できる限り食事からも摂取できるように意識してみてください。一日三食の食事はお腹の赤ちゃんの成長のためにも、バランスの良い食生活を心がけたいですね。
4.足のむくみが辛いときは漢方薬を使ってみよう
妊娠中はお腹が大きくなるにつれて、足のむくみに悩まされる方が増えてきます。中には血圧が上がったり、普段の靴が履けなくなったりする重症になる人もいるようです。
妊娠中のむくみに処方されるメジャーな薬は、芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)や柴苓湯(サイレイトウ)という漢方薬があります。もし足のむくみがひどい場合は、自分だけで悩まずに一度妊婦健診のときに主治医の先生に相談してみてください。
こむら返りになったときの3つの対処法
1.深呼吸して体の力を抜く
こむら返りは突然起こりますが、焦らずにまずは深呼吸して体の力を抜きましょう。
こむら返りはとても痛いので、どうしても体に力が入ってしまいますが、そのとき力を入れるとさらに筋肉が収縮してしまい、痛い時間を長くしてしまいます。できるだけ力を抜くように意識しましょう。
普段から深呼吸をしておくことは、陣痛のときのための呼吸法の練習になります。少し早めかもしれませんが、今から練習しておいても良いかもしれませんね。
2.ゆっくりストレッチをする
深呼吸して体の力を抜いたら、次にふくらはぎを伸ばしましょう。具体的には、座って足を伸ばし、かかとを前方に出すイメージでつま先をすねのほうに向け、しばらくキープします。そばに人がいるときは、足先を体側に押してもらうことでさらに効果的です。
妊娠後期になるとかなりお腹が大きくなるので、人によってはこの姿勢がきつくなるかもしれません。そのときは無理をせず、椅子に座ってストレッチをするだけも十分です。
3.足のマッサージをする
足のマッサージは、ガチガチになった足の筋肉をほぐすことで緊張がとれて、徐々に痛みが楽になっていくはずです。
しかし、やりすぎも禁物です。筋肉の組織が壊れて肉離れを起こしてしまうことがあるので、気持良いと感じるところで止めておきましょう。
まとめ
赤ちゃんのためにも健康的な生活を心がけよう
妊娠すると良く起こるトラブルの一つのこむら返りですが、きちんと原因や対処法を知ることで、いざというときに役立ちます。また栄養バランスに気をつけたり、日頃から運動したり、冷え予防などの予防法を知っていれば、未然に防ぐこともできます。
これらは自分のためだけでなく、生まれてくる赤ちゃんのためにも大切なことです。
妊娠中の生活は健康的な生活を心がけつつ、赤ちゃんの成長を喜びながら、楽しいマタニティライフを送りましょう。
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