通常の「2%の脳の大きさ」で生まれた赤ちゃん。逆境に打ち勝つ!
中絶を進められるも、出産を決意した夫婦の奇跡
医師からの中絶の宣告
2012年3月イギリスのカンブリア州のウォール夫妻は、ノア・ウォールくんを出産しました。ただこの出産は、医師から中絶を進められる苦渋の決断でした。
それがわかったのは、妊娠3ヶ月目の定期診断しているときでした。おなかの赤ちゃんのエコー検査をした結果、以下2つの先天性の奇形の症状があることがわかりました。
- 二分脊椎
- 先天性水頭症
二分脊椎
脊椎の一部が形成されない疾患
先天性水頭症
脳脊髄液が過量に分泌されたり、吸収できないために脳が圧迫を受けたり、頭蓋内圧が
高くなる疾患
医師からはノアくんの場合、 産まれたときに無脳症などの重い障害が残る、最悪の場合は出産の際に命を落とす可能性があると宣告をされました。大きなショックを受けたウォール夫婦でしたが、医師からの提案を5回に渡り断り、息子の出産を決めました。
専門医である医者に「生きていくことが難しい」と宣告されたら、どんな想いになるのか想像がつきません。当時の父親45歳、母親40歳の子どもに対する強い想いがあったのかもしれません。
このままだとノアくんは、出産時に自分で呼吸ができないため、出産時に呼吸ができるようにする「シャント手術」を受けました。手術は、脳を圧迫している脳髄液を少なくする目的でした。
その後、命を落とすことなく無事に産まれた赤ちゃんは、医師が診断した通り、無脳症の症状として脳が普通の子の2%しかない状態でした。
無脳症は脳の一部や大脳が欠損してしまい、生存するための機能がうまく働かず、命を継続するのが難しい状況になってしまいがちです。出産後の生存率は、1週間で25%とも言われています。
脳が2%の無脳症になってしまう原因
無脳症などの疾患は、妊娠初期に起こる先天性の異常です。胎児期に形成される「神経管」が塞がってしまい、脳や脊髄などに障害がでてしまうことが原因と考えられています。また以下の3つがその要因として可能性があるそうです。
- 遺伝的な要因
- 妊娠期間中の環境要因(糖尿病、薬の服用、放射線被爆、ビタミンAの過剰摂取)
- 葉酸不足
※上記3つに当てはまらなくても先天性の異常が生じてしまう場合もあるそうです。
奇跡的な回復を見せる
ノアくんの脳は、脊髄液が脳を満たしていため、脳への圧迫が大きく脳の大きさを抑制していいたようです。両親が脳の発達を促す訓練をしたせいもあって、どんどん回復していきました。
なんと2%しかなかった脳は、なんと80%程度まで回復しました。
2017年5月現在ノアくんは4歳になり、数を10まで数えたり、ちょっとした会話ならできるようになりました。また今は車いす生活ですが、将来的には歩けるようになるかもしれないと医師がコメントしています。
また医師は、ノアくんの回復は前例がないことで、医師もその理由についてはよくわからず、「これまで解明されていなかった医学をノア君が教えてくれている」と驚いているそうです。
ノアくんの夢は、消防士か医師になることらしいです。両親とノアくんの起こした奇跡を考えると、将来の夢の実現は叶えられるのではないでしょうか。
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