妊娠を告げたら解雇!職場マタハラ根絶へ問われる法改正

妊娠を理由に解雇。企業への罰則強化を求める世論

妊娠で解雇。なぜ?

想像以上の早さで出生率が下がり、政治家たちは少子化対策の方法を迷走しています。今の現状をもっと見て知ってほしい。

長く会社に勤めていた女性が、妊娠を理由に解雇になってしまう例が今でも珍しくありません。当然責任は企業にもありますが、本当の責任は国にあるのではないでしょうか。

2000年後半から相談件数増加

2008年度(平成12年)に寄せられた労働相談件数が前年度比65%増の1,250件に上り、過去最高の相談件数を記録したと政府が発表しました。相談内容での気になる点は以下の3点です。

  • 労働者からの相談1149件のうち、非正規労働者は前年度比88%増の410件
  • 派遣労働者は前年度の35件から102件、前年度比で約3倍に急増
  • パートが106件から178件と大幅増

ここで私が注目したのは、派遣労働者の相談理由が急激に増えた理由です。おそらく派遣業務に対する規制緩和が、大きな要因になっているのではないでしょうか。

派遣労働者の法改正

国は1996年から人材派遣が利用されやすいように法改正し、1999年には派遣できる業務を26業務へ拡大させました。その後、さらに派遣業務対象は拡大しています。

そして、極めつけは2006年までは派遣期間は3年間の制限をかけていましたが、一部派遣業務(政令26業務)はその期間を無制限に法改正しました。

多くの大企業は、派遣労働者の恩恵を受けています。

企業は賃金の安い派遣労働者を雇うことで、新しい商品やサービスを開発するためのコストを大幅に下げることに成功し、コストカットによる多くの利益を得ています。

もっと詳しく派遣労働者の法改正の歴史を知りたければ、下記サイトをご覧ください。

派遣労働法改正の歴史が一目でわかる!派遣は使い捨て

http://info-graphic.me/politics/7022

マタニティハラスメントの実態例

厚生労働省が2016年9月に作成したパンフレットでは、「職場で辛い思いしていませんか?」という問いに対して「事業主から受けるマタハラの例」を紹介しています。

職場でつらい思いしてませんか?

事業主からの不利益取扱い

  • 「育休・産休は認めない」と言われた
  • 切迫流産で入院したら「もうこなくていいから退職届を書け」
  • 妊娠を報告したら「退職してもらう」
  • 妊娠を伝えたら「次の契約更新はしない」
  • 妊娠したら、正社員なのに 「パートになれ」

妊娠・出産・育児休業・介護休業などを理由とする解雇などの不利益な取扱いは 法律で禁止されているにもかかわらず、今だにこういったことが起きています。

職場ハラスメントの防止措置義務

  • 上司に妊娠を報告したら「ほかの人を雇うので早めに辞めてもらうしかない」と言われた
  • 妊婦検診のために休暇を取得したいと上司に相談したら「病院は休みの日に行くものだ」と相手にしてもらえなかった
  • 育児短時間勤務をしていたら同僚から「あなたが早く帰るせいでまわりは迷惑している」と何度も言われ精神的に苦痛を感じた

2017年1月に施行された改正法では、上司や同僚からの職場でのハラスメント行為を防止するため、事業主には周知や啓発を義務付けられています。

厚労省ではハラスメントを受けたとき「やめてください」、「私はイヤです」とハッキリと意思を伝えることが大事だとしています。またそうなった場合は、一人で悩まずに外部の労働局などに相談するように指導しています。

厚生労働省 パンフレットより

少子化対策と職場ハラスメントは同じ問題

中小企業では、大手企業のように人員にゆとりがありません。例えるなら、家族の大黒柱のお父さんと中学生から高校生になったばかりの学生です。それぐらい大手企業と中小企業では、金銭感覚のレベルが違います。

人員補填に関する考え方はいろいろありますが、多くの中小企業では今まで働いていた人が抜けてしまうと、その分の人を雇わないければ仕事がまわりません。中小企業では、そうなったとき、またはなりそうなときに補填するのが一般的です。

大手企業の多くは、予めそういったことも想定しているたり、そうなるタイミングを見極める判断が早かったりします。特に20代や30代前半の若い社員が多い職場では、そういった傾向が強いです。

中小企業で起こる問題は、「休んでいる間に人を補充した場合、戻って来た人間の入る場所がない」ことが一番大きい理由なのではないでしょうか。その結果、それなら解雇してしまおうというのが経営者の考えなのではないでしょうか。

多くの会社では、その職場の社員全員が不安なく働けるように考えているため、一人ではなく全員のことを考えて判断せざる得ない状況があります。その判断の究極的な要素は、会社の売上や利益になるのは間違いありません。

しかし、その判断の材料がお金に関することと同じくらい、一人ひとりの社員を考えている会社もあるはずです。国は経営者や企業がそういったマインドや体質になるように、教育や法律などで策を考えて実行してほしいと思います。

中小企業なかには、そうせざる得ない苦渋の決断をしているところもあるはずです。その決断をさせている責任は、国にあります。

新社会人や障碍者を雇うと国から補助金が出る仕組みがありますが、同じような仕組みを妊娠中の女性にも適用させるべきです。または職場に限った話ではないですが、マタハラの罰則強化です。

そういう政策が、「国民が求めている少子化対策」です。

「少子化対策」は1994年から始まっているのにもかかわらず、未だに妊娠で解雇される「職場マタハラ」の矛盾が起きています。子育てをする女性や家族が、一日でも早く未来に不安なく生活できるようになってほしいです。